やりたいことをやる前に、やるべきことをやろう。

小さいお店のコンセプトの決め方

 開業準備を進めていくと、今まで接してこなかった人たちと会話することが増えていきます。その時に、お店のコンセプトや戦略について話せないと相手はあからさまに手を抜いてきます。相手も暇じゃありません。適当に流されておしまいです。

 

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どんなお店にしたいのか、どんな展望を持っているのか、情熱を持って伝えることで、相手を巻き込むくらいの勢いが必要です。相手にはできるだけ当事者意識を持ってもらうことが望ましいです。人はその人の可能性を見ています。自分の可能性を存分に見せていきましょう。

 一度、当事者意識を持ってくれれば親身になって相談に乗ってくれますし、良い提案もしてくれるようになります。そのためにも「ビジョン、コンセプト、戦略」がとても重要になってくるのです。

私が、補聴器専門店を開業すると決め、ビジョンやコンセプト、戦略を考えていた時、意外と手こずったことを覚えています。漠然としたものはあったものの、いざ、言葉にしようとしたときに、うまくアウトプットできなかったのです。

お店のビジョンとコンセプト

お店を開くうえで必要不可欠な「ビジョン」

ビジョンとはつまり、経営目標ですので、オリジナリティーを求める必要はありません。将来の展望、お店の未来像を明確にしておきましょう。例えば、「地域一番店になる」とか簡単な目標で良いと思います。達成したら新しくより大きなビジョンを掲げてお店を成長させて行きましょう。

ビジョンが決まったら次はコンセプトを決めましょう。

コンセプトはお店の特徴になりますから、お店の核となる部分ですのでしっかりと練りこみましょう。そうすることによって、開業準備中に接するいろいろな業者に、こちらの意図を明確に知ってもらうことができます。

 私はこのコンセプト決めで悩むことが多かったように思います。何が正解なのか考えれば考えるほど悩んだことを思い出します。この部分だけは必ず自分で考えて、決めなければなりませんから、多くの時間を割きました。

 ちなみに私が参考にしたのは、小倉昌男の「経営学」、稲盛和夫の「生き方」、松下幸之助の「道を開く」、中村天風の「運命を拓く」、外山滋比古の「思考の整理学」などの本でした。何となく、小手先だけの言葉を探して、それっぽいコンセプトを作るよりも、自分の考え方を確立してからの方が、ブレないコンセプトを出せるような気がして、過去に読んだ本や気になった本をとにかく読み漁ったことを思い出します。

 

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コンセプトの決め方

コンセプトの決め方は、「何のために何をするか」を軸に考えると良いと思います。気を付けたいのが、コンセプトは、キャッチフレーズを考えることではないということ、キャッチフレーズは、コンセプトが定まって初めて出てくるものですので、語呂の良いわかりやすいキャッチフレーズを一生懸命考えるのはやめましょう。

コンセプトは、お店そのものと言っても良いとても大事なものです。ターゲットを明確にし、お客様にとって魅力的なお店作りをしていきましょう。

「何のために」「誰のために」お店を開くのか、商売をするうえでこれを考えていない経営者はいないはずです。これから個人事業主として、小さなお店を開業する人にとって、ターゲットは、狭く、狭く、絞った方が良いと思います。

ニッチでも独占であればそこに勝機はあります。逆に、幅広く、誰もが参戦しているところに戦いを挑むのは、はじめやすいかもしれませんが、気力も体力もどんどん削られていくことは目に見えていますので、やめましょう。ここでいう体力とは、「資金力」です。資金力についてはまた別の機会にしますが、お店はお金がないと続けることはできませんので、とても大切なことです。

ニッチな市場を見つけよう

ニッチな市場はそう簡単に見つかるものではありませんが、根気よくアンテナを張り続けましょう。需要は少ないかもしれないが、確実に需要が存在している「もの」「サービス」は必ずあります。もしくは、自分で作り出すのも良いかもしれません。

とにかく、ターゲットはできるだけ絞ってスタートした方が良いです。徐々に広げて行くことは簡単でも、一度広げたものを狭くしていくのは結構大変なものです。

ちなみに、私のお店は補聴器専門店です。日本における補聴器の市場規模は1,000億円程度なので、決して大きい市場ではありません。